JICA海外協力隊が語学訓練を行う福島県の二本松訓練所はどんなところ?
こんにちは!てらぼー(@terabow42)です!
JICA海外協力隊として海外に派遣されるためには、派遣前(はけんぜん)訓練に参加する必要があります。
基本的に、二本松(福島県)または駒ケ根(長野県)にある訓練所に住み込み、約2カ月のトレーニングをこなします。
私が参加した2022年3次隊は、コロナウイルスのパンデミックが起きていたため、東京の竹橋で1週間ほどリモート訓練を行ったのち、入所しました。
▽リモート訓練の記事はこちらから▽
トレーニングの大半は語学訓練。そのほかに、安全対策や公衆衛生、異文化理解などの講義を受けます。
これがなかなか濃い時間で、同じ思いを持つ他の訓練生とかなり仲良くなります。今回は、私が過ごした二本松訓練所の体験をお話しします。
二本松訓練所はどんなところ
二本松訓練所は福島県二本松市の安達太良山のふもとにあります。最寄りのJR二本松駅からは約13km。一日3本ほど出ているバスで20分ほどの距離です。
観光地となっている岳温泉からは約3km。温泉街から山道を40分ほど歩くと訓練所が見えてきます。
そう、ここは陸の孤島なのです…。
2022年3次隊の訓練期間は2022年10月~12月。10月は涼しく過ごしやすい季節でしたが、終盤の12月になると降雪もあり、とても寒い日が続きました。
来たときは、「とんでもないところに来てしまった…」と思いました。ただ、住めば都で、普通に生活している分には特に不自由はありません。
食事は週末を含め、食堂で朝昼夜3食食べることができます。
食堂のおばちゃんたちがフレンドリーで、味も美味しかったと思います。たまに、世界の料理を食べれるのが嬉しかったです。
この食事で足りない場合は、週に2日ほど出張販売が来るので、ここでパンやお菓子などを買うことができます。他に文房具など学習用具も買えますし、冷蔵品(牛乳など)も事前に注文しておけば届けてくれます。
気になる住居は、生活班ごとにフロアが分かれていて、各自個室が与えられます。勉強机と椅子、ベッドが置かれた合宿所のような作りになっています。
生活班は各10名ほどで、男女や職種、派遣国、年齢などはバラバラになるように組まれていました。各フロアには談話室という畳の部屋があり、そこには冷蔵庫や給湯器もあります。
トイレと洗面台は共用となっています。共用部の掃除などは、清掃員の方々がしてくれるので、施設自体は古くてもとても綺麗でした。
他の施設としては、運動場・屋上・ジム・体育館・図書館・音楽室・マッサージ機・喫煙所など充分すぎるほどあり、訓練所内でも普通に生活できました。
生活ルーティーンも規則正しくプログラムが組まれています。基本的な一日の流れは、以下の通り。
6:50~8:10 朝食
8:15~8:30 朝礼
8:45~11:30 語学授業
11:30~12:50 昼食
13:00~15:10 語学授業
15:10~17:00 講義
17:30~19:00 夕食
この流れに沿っていれば、あとは自由時間です。語学の宿題や講義のレポートなどは自由時間でやることになります。
訓練期間の忙しさは訓練生によってマチマチです。(私はめちゃくちゃヒマでした。)
難しい言語を学ぶ訓練生は自由時間の大半を学習時間に費やしていました。私は比較的簡単なスワヒリ語だったので、講義終了後はジムに行ったり、週末は温泉に行ったりしてました。
こんな感じですが、訓練が終了した後は、「とても楽しかったな~」と感じることができました。(もう戻りたくはないけど…)
とっても厳しかったコロナ対策
訓練所はとても綺麗で立派だし、スタッフの方々もとても良い人たちばかりで、特に不自由はありませんでした。しかし、1つとてもしんどかったのは、「厳しいコロナ対策」でした。
というのも、訓練所には訓練生約60名とスタッフの方々が閉ざされた建物に集まることになります。誰かひとりでも感染するとクラスターになりかねない環境。シニア派遣の高齢の方もいらっしゃったので、かなり厳しい行動規制がありました。
例えば…
- 基本的に屋内外問わず、ずっとマスク着用。
- 食事の時は、黙食。全員が距離を取って、同じ方向を向いて食事をする。
- 風呂は黙浴。一度に入れるのは8人まで。
- ジムに入れるのは一度に4人まで。運動中もマスク着用。
- 体育館ではダブルスなど複数人での運動は禁止。
- 研修所外での不要不急の外出は禁止。
- 外食禁止。
etc…
世間がだんだんウィズコロナへと方向転換していく中で、この規制。正直、オンラインでやっても変わらないんじゃ…と思うほど厳しかったです。ただ、クラスターのリスクも高いので、全員の安全を守るためには仕方なかったと思います。
そんな中でも、みんな色々と工夫して交流を図っていました。各訓練生が得意分野で講座を開いたり、運動会をしたり、一緒に勉強をしたり…。
感染対策を行ったうえで、岳温泉街に行ったり、二本松駅周辺や福島県内の主要駅には行けたので、週末は観光もできました。最低限の息抜きはできたのが救いでした。二本松駅周辺の二本松城はとても綺麗でした。
▽二本松訓練所周辺の観光地についてはこちらから▽
厳しかったけど楽しかった訓練。
訓練の醍醐味は、全国から様々なバックグラウンドを持つメンバーと話せることです。
会社勤めだった私にとっては、特に公務員や学校の先生などのパブリックセクターの方々はとても価値観や考え方が異なるので、話していてとても新鮮でした。
ただ、生きてきた背景は全く違っても、みんな少なからず「途上国で活動したい」と思って協力隊に応募してきた変わり者たちなので、価値観が合う部分もあり、仲良くなるのはとても早かったです。訓練が終わるころには、すでに忘年会の約束をみんなでしていました。
2カ月間一緒にいて共に飯を食べたことがない。というよくわからない関係性になっていたので、訓練後にみんなで飲み会をしたときは、かなり不思議な感じでした…(笑)
数カ月経った今、みんな別々の国に旅立っていますが、今でも連絡を取り合っている大切な友達になっています。帰国したらまたみんなで飲めたらいいな~。
というわけで、次回は訓練所での生活なども思い出しながら書いていければと思います。
では、Kwa heri!!!
▽次回の記事はこちらから▽
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