ケニアでキリスト教カトリック式のお葬式に参列し、2,500人の前でスワヒリ語スピーチした話。
<ケニア生活54日目>
Chamgei!
こんにちは、てらぼー(@terabow42)です!
JICA海外協力隊として、カプサベット(Kapsabet)に赴任してから約3週間…。先日、不幸にも配属先の社長のお父様が亡くなり、お葬式に参列してきました。
外国でこのような体験はもちろん初めて。
ケニアのお葬式は、日本と異なりとても明るい雰囲気で行われていて、少しでも故人に関係のあった人全員が参列するためかなり大きな規模で開催されているのが印象的でした。
かなりのカルチャーショックを受けながらも、貴重な体験ができたので、今回はその様子をお伝えします。
訃報が届いた日
先日、いつも通り出勤すると、同僚から
「昨日ボスのお父さんが亡くなったらしいから、今日はボスに"Pole sana(ご愁傷様です)"と言いに行こう!」
と言われました。
そのときは単純に社長室に行ってお伝えするのだと思っていましたが、後にボスの家に行くことだと分かります。日本でいう弔問のようなものかと思い、その日の夕方、同僚の車で社長の家に向かいました。
社長の家は街からそこそこ離れた高台の上にあり、車一台がやっと通れる舗装されていない道を行ったところにありました。
到着すると、家の庭にテント式の教会が作られており、複数の神父さんと50人ほどの参列者がいました。
それまで車で大音量の音楽をかけていた同僚も、敷地内に入るとさすがに音楽を止め、静かに話すようになりました。
到着してからは、用意された椅子に座って参列者に交じり、神父さんのお話を聞いたり、儀式を眺めていました。
大体、“賛美歌を歌う"→“神父さんが聖書を朗読する"の繰り返し。ところどころで、参列者同士で握手したり、立ち上がって献金したり、みんなが祈り始めたり、合唱を始めたり、、、
ルールが分からなかったので、周りの空気を読みながら、みんなの真似をして過ごしていました。
1時間ほど経った後、同僚から突然「前に行くぞ!」と言われ、ついて行ったら参列者の前で同僚のスピーチが始まりました。
その後、同僚に「お前もなんか話せ!」と言われ、ケニアあるある(?)の無茶ぶりに驚いていると…。見ていた社長も「あいつ外国人だけどスワヒリ語話せるんだぜ!」と参列者全員の前で余計な一言を…
スワヒリ語で話すのはともかく、こういう場でスワヒリ語の挨拶である“Habari?(元気?)"的なフレーズを言っても失礼ではないのかすら分からなかった私は、行き詰ってしまい、自分の名前とお悔やみの言葉だけ言って、何とか切り抜けました…。
とはいえ、社長は来たことをとても喜んでくれたので、行ってよかったな~と思いました。ただ、この時はこれが最初の試練に過ぎないことを知る由もなかった…。
ケニアのお葬式はお祭りのようだった
弔問を終えた数日後、お葬式にも参列することになりました。お葬式の日は、オフィスに一人のカスタマーサービスのメンバーと門番だけを残し、会社内のほとんど全員の従業員が参列しました。
街の水道インフラを全て担う会社が、丸一日営業を止めるってなかなかですよね…。ただ、ケニア人にとっては、それくらい重要な行事です。
再びボスの家に行ってみると、先日とは違って、多くの参列者が来ておりました。その数、推定2,500人!!!カプサベットの人口は55,000人なので、その規模がうかがえます。
故人は、2人の妻、15人の子供、85人の孫がおり、家族席だけで100席越え。95歳までご存命だった(ケニアの平均寿命は67歳)ため、関係者もかなり多かったです。
教育界に多大な貢献をされた方だったようで、学校長を務めたり、数年は政治家としても活動していたとのことでした。この日は、カプサベットだけでなく、エルドレッドやキスムなどから、大学教授や医者など権威ある方々も参列していました。
会場に入ると、故人の思い出の写真や家族の寄せ書きなどが書かれたプログラムが配られており、タイムスケジュールにはこう書かれていました。
8:30 入場開始
9:00 葬儀開始
11:00 お別れのことば
12:00 お祈り開始
私が会場入りしたのは11:00くらいでしたが、13:30になっても参列者のお別れの言葉が続いていました。到着後しばらくは、広い敷地内に作られたテント式のチャーチ内で参列者のお別れの言葉を聞いていました。
我々のスピーチの順番は12:00頃に回ってきました。今回は同僚の中でもマネージャーが代表して話し始めたので、自分が話す機会はないだろうと思っていましたが、、、(絶対もっと話すべき人がいるはずなのに)案の定、私に回ってきました…。
突然、2,500人の前でスワヒリ語を話すことに…。
ただ、前回多少学んでいた私は、他の参列者が話していたことを多少真似て、何とかスワヒリ語でスピーチすることができました!!(たった30秒くらいですが…)
私が話し終わると、「おぉーー!!」というどよめきが…
「ムズング(外国人)が我々の言葉をしゃべってやがる…!!」という感じの反応でした(笑)
同僚も良いスピーチだったと褒めてくれました(笑)
このお葬式で学んだことは、“盛り上がってナンボ"ということ。日本の葬式のような終始悲しい雰囲気ではなく、参列者はあの手この手で観衆を笑わせようと努力します。
時には神父さんまでもが、政治家?!ってくらい大きな声でスピーチして、観衆を沸かせていました。
こんな感じなので、日本人が急にスワヒリ語を話したら盛り上がると思って私に回ってきたのかもしれません…(笑)
ともかく、多少は貢献できたようで良かったです…。
ケニアのお葬式は一日がかり
オフィスを出発するとき、同僚には昼頃には戻ってこれると聞いていました。しかし、お別れの言葉が終わったのは13:30頃。
それから、チャーチが行われ、祈り→賛美歌→神父のスピーチを延々と繰り返していました。それが終わったのは15:30くらい。超絶お腹が空いていました…(笑)
そして、すべてのプログラムが終わった後、、、なんと昼ご飯が参列者に振舞われていました!
急にシェフたちが出てきたかと思ったら、大音量でスピーカーから音楽が流れ、お祭りのような雰囲気になりました。私もせっかくなので、いただきました。ケニアの標準的なご飯で、とても美味しかったです。
こんな感じですべてのプログラムが終了し、帰ってきたのは18:00頃。一日がかりでしたが、いつもあんなにテキトーなケニア人たちが、すべてのプログラムにきっちり参加しているのが印象的でした。
なにより、私が参列したことで、社長が喜んでくれたのがとても嬉しかったです。社長のお父様、どうか安らかに…
では、Kwa heri!!!
▽次回の記事はこちらから▽
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