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元JICA海外協力隊員が日本に帰国してから思ったこと

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元JICA海外協力隊員が日本に帰国してから思ったこと

<ケニア生活終了!>
Chamgei!
こんにちは、てらぼー(@terabow42)です!

てらぼーの旅ブログ

JICA海外協力隊として2年間ケニアで活動した私は、先日ついに日本に帰国しました!母国に懐かしさを感じる反面、ケニアで染みついた習慣から逆カルチャーショックを受けることもしばしばです(笑)

日本に戻ってみると、いかにケニアが日本と正反対の価値観や文化を持っていたことに気づかされます。どちらが良い・悪いというわけではないのですが、帰国してから日本の習慣やルールに驚かされることも何度かありました。

今回はそんな帰国した協力隊員だからこそ気づいた日本とケニアの違いについて書いてみたいと思います!

ナイロビCBDの町の様子

帰ってから気づく日本の素晴らしいところ

ある程度予想していたことではありますが、2年間も日本を離れていると「こんなんだったっけ…?」みたいなことがたくさんありました。その気づきの中には「やはり日本の方が良いな」と思うこともあれば、「ケニアの方が良かったな」と思うこともあります。

まず日本の良さを感じたのは、カタール航空で成田行きの便に乗り換えたときでした。この2年間で搭乗した便と異なり、チケットに記載されている搭乗時間通りに案内が開始されたのです…!しかも、日本人たちはその時間になると互いに譲り合いながら搭乗を開始。日本人のCAの方もとてもホスピタリティのある方たちで、“礼儀"というものを久しぶりに感じました。

カタール航空の様子

それと同時に、日本人たちの身なりの綺麗さにも驚かされました。ケニアにいるとファッションに興味もなくなるし、見せる人もそんなにいないから、身だしなみに気を遣う機会が減ってしまっていました。日本人がいかにオシャレかを忘れてしまっていたのでケニアのいつも通りで過ごしていましたが、一人だけ汚い靴を履いてヨレヨレのTシャツを着ていたのでとても恥ずかしくなりました。

機内の周りの日本人たちは「座席を倒す」「空調を調整する」だけでも他人を気遣って一言声を変えたり、プライベートゾーンを尊重していて、「なんて生きやすいんだ…!」と感動しました。

日本行き航空機から見える景色

成田空港に到着すると、眩しいほどの照明と親切な空港スタッフに迎えられ、テクノロジーが導入された入国審査や税関を一瞬で通過し、いろいろと頭が混乱しました(笑)

特に明るさ清潔さはケニアには絶対になかったもの。2国が同じ地球上にあるとは思えないほどでした。公共のトイレを不快感なく使えるって素晴らしい…。

成田空港では一緒に帰国した同期と寿司を食べましたが、これが本当に美味しい。ナイロビにも寿司や刺身を食べれるところはあるし、ケニアにいた頃は喜んで食べていたのですが、やはり本物とは全然別物だったのだと気づかされました…。

成田空港で食べた寿司

空港を出て車に乗ると、これまたビックリ。道路が綺麗すぎて体に全く衝撃がないのです…。しかも、車から発する音がほとんどなく、未来の乗り物に乗っているようでした…。夜でも外灯がギラギラ光を発していて明るいので、真っ暗で外にすら出れないケニアの夜がウソのようでした。

人々は真夜中でもコンビニに行ったり居酒屋に行ったりしていて、「本当に日本に帰ってきたんだな…」と実感した瞬間でした。早速、コンビニでおにぎりやアイスを買いまくりました(笑)

ミニストップで買い物

現職参加の私は会社を休職して協力隊に来たので、早速復職しました。本社が移転していたので、地図を見ながらたどり着くと、そこはナイロビにも存在しないような綺麗な高層ビルでした。

ケニアでトタン屋根の平屋オフィスに2年通っていた身からすると、相当な変わりようです。しかも、バックオフィスの社員さんたちは、会ったこともない私に対して「おかえりなさい」とか「最初慣れないだろうけど頑張ってください」と気遣ってくれて、「日本人って本当に親切だな」と感じた瞬間でした。

KANAWASCO_オフィス
ケニアで働いていたオフィス
日本の職場のビル
日本で働くオフィス

帰国してから数週間が経ちますが、食事の美味しさや環境の美しさ・物価の安さ・人の優しさ・効率の良さ・治安の良さなどには感動しっぱなしです。これはケニアが悪いというよりは、ここまで揃っている日本が特別なのかなと思っています。

ある意味、途上国で2年間過ごした私だからこそ体験できる幸せである気がするので、しばらくはこの感覚を楽しみたいなと思います(笑)

スシローの寿司

帰ってから気づいたケニアの素晴らしいところ

一方で、ケニアの良かった点にもいくつか気づきます。やはり一番が気候。一年中過ごしやすい気温とメリハリのある天気は間違いなく一番好きなところです。

日本も帰国日以降はだいぶ涼しくなったようですが、やはり扇風機くらいは必要な日が続くし、蒸し暑さが何となく不快です…。やはり、この気候だけはケニアの方が好きです。

ケニアで住んでいた家から見える景色

ケニアでハマったコーヒーも、この国の好きなところの一つです。しかし、日本でケニアの豆を買おうとすると非常に高価で、金銭感覚が戻っていない私からすると手が出ません…(笑)

ケニアで500gを1,000円ちょっとで買えていたことを考えると、日本のコーヒーショップはとても割高…。ただ、ケニアと違い「多種多様な国の豆」を楽しめるのは先進国ならではかもしれません。

日本で売っているケニアのコーヒー豆

そして、これは人によって賛否があるかもしれませんが、日本では赤の他人と話す機会が極端に少ないなと感じました。ケニアは、野菜を買いに行くにも別の町に遊びに行くにも、道端のキオスクで店員と話したりマタツの乗客が話しかけてきたりと、赤の他人との会話のハードルが極端に低いところでした。

しかし、日本では電車に乗っても静かだし、買い物はネットスーパーで済ませられるし、コンビニもシステム化されているし、知り合い以外と話す機会がほとんどありません。もちろん困っている人がいればみんな助けるけど、用もないのに話しかけたりしたら不審者扱いされることも…(笑)

だから、自分が属しているコミュニティ以外で友人ができるなんてことは日本ではほとんどないことですよね。正直、私はケニアにいるとき話しかけられることにウンザリしていたのですが、日本に戻ったら「これはこれで少し寂しいよな…」と感じてしまいました(笑)

ケニアの町の友達
彼らは町の青空ガレージのエンジニアたちで、街を歩いている中で友達になった。

価値観の違い

帰国して一番感じているのは「日本は本当に豊かな国」であるということ。そして、子供のころからその豊かさに慣れている私にとっては、ケニアに比べて日本の方が圧倒的に生きやすいです。「日本とケニアどちらに住みたい?」と聞かれたら、“日本"と即答するでしょう。

ただ、反対に小さいころからケニアに住んでいるケニア人からしてみれば、おそらく日本に来ても「生きやすい」とは感じないんだろうなと想像しています。

人との関係が希薄で、全てにおいて効率を求めるからみんなせかせか働いている。ケニア人のように道端で昼寝していたり、所かまわず人に話しかけていたら、いつか職質されるでしょう。

ケニアの街の様子

確かにどこにでも簡単に行けて、いつでも栄養価の高い美味しい食事を安く食べれて、いつでも生活インフラが使えるのは素晴らしいことですが、きっと彼らは日本を見てこういうでしょう。

「日本人は幸せなのか…?」と。

もちろん日本人も幸せを感じています。しかし、ケニア人の幸せとは「農作業して、家畜をたくさん持って、子供をたくさん産んで、食べていける程度に仕事して、夜家族とともに団らんして寝る」という生活であり、価値観が違いすぎます…。

だから、きっとケニアの人が日本に来ても、「日本とケニアどちらに住みたい?」と聞かれたら、“ケニア"と即答するんだと思います。

「豊かさ=幸せ」とは限らない価値観は人によって全く異なる。これがケニアに行ったことで得られた最大の気づきだったのかなと思います。

マチャコスの街並み

もう一つ驚きなのは、久しぶりの日本にこんなにも感動している自分が、「早くまた海外に行きたい」と考えていること。文化の違いに苦労することはありましたが、やはりそれと同時に自分の知らない世界を知ることは本当に面白いと気づきました。

今後もしばらくは日本で疲れを癒しながら、海外へのチャンスを探していきたいと思います!

キスムの町の様子

では、Kwa heri!!!

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