JICA海外協力隊の二本松訓練所(NTC)の生活は過酷?<語学訓練や食事事情>
こんにちは!てらぼー(@terabow42)です!
JICA海外協力隊として任地に派遣される前には、駒ケ根(長野県)または二本松(福島県)の訓練所に入所し、訓練を受ける必要があります。ここでは、約2カ月のトレーニングをこなします。
訓練所では、派遣先の語学授業や、安全対策・公衆衛生・異文化理解などの講義を受けて、海外での生活に備えることになります。大変なこともありますが、講義時間以外では、訓練生同士で、食堂でご飯を食べたり、お風呂に入ったり、外出して観光したりと楽しいこともたくさんあります。
今回は、そんな二本松訓練所で訓練生たちがどのように過ごしていたか、私の体験をお話ししたいと思います。
訓練期間の食事事情
二本松訓練所には大きな食堂があり、そこで朝昼夜の三食が提供されます。
食堂のスタッフの方々は、絵にかいたような"食堂のおばちゃん"という感じの方々で、とても気さくに接してくれる方々です。
味のほうは賛否両論ありますが、私にとってはとても美味しかったです!!バランスを考えて献立が練られており、ご飯などはおかわりもできます。普段自炊しているときは、基本1品しか作らないので、何品も一度に食べれるのはとても嬉しかったです。
特に週に1回程度提供される世界の料理では、食べたことがないような海外の料理が出てくるので、訓練生たちは毎回楽しみにしていました。(タイカレーは絶品でした。他にもアフリカや東南アジア、中東などの料理が出ていました。)
アレルギーがある方は、事前に申告して、食べても問題ないような献立が別途作られていました。コロナウイルス感染対策で訓練生同士で一緒に食べることはできないのは残念でしたが、ご飯自体はとても満足しています。
週末の外出などで食事を欠食したい場合は、事前に申請することができます。訓練所外のレストラン等で外食することは許されていませんでしたが、テイクアウトやデリバリーで食事を持ち帰って食べることは許されていました。
とはいっても、UberEatsの配達圏外だったため、訪問販売の方にピザなどを注文するか、岳温泉街まで行ってレストランなどの食事をテイクアウトするかの2択でした。
岳温泉街には、雰囲気の良い飲食店がいくつか立ち並んでいましたが、今回の訓練では利用禁止。JICA海外協力隊の候補生たちを歓迎してくれている看板を立てている飲食店もあったので、行ってみたかったです。
これまでは、候補生たちの御用達のお店だったんでしょうね…。
唯一食べたのは、岳温泉街で最も有名なソースカツ丼屋でした。“成駒"という岳温泉街の中にある定食屋さんのソースカツ丼です。営業中は常に行列ができていて、とても人気のお店でした。
これでだいたい1,600円くらい。なかなかのお値段はしますが、ボリュームたっぷりでお肉もジューシーでした。
ちなみに私は、周辺のチルい公園で食べました。岳温泉街の中にある“鏡ケ池公園"という落ち着いた雰囲気の公園で訓練生たちの憩いの場となっていました。
他にも周りには、チーズケーキ屋さんやジェラート屋さんなど、良い店がありました。特に、薬膳ジェラートは絶品でした。
ここでは、気さくなオーナーさんがはちみつ栽培、ロッジ、テントサウナなどを経営しており、訓練生の行きつけの場所になっていました。テントサウナにもみんなで行きましたが、本当に気持ちよかったです!!!
語学訓練の様子
訓練所の生活の中で多くの割合を占めるのが、“語学訓練"です。東京で行われたリモート訓練で一週間の語学授業が行われたのち、二本松でも対面での授業が再開されました。
▽リモート訓練の記事はこちらから▽
派遣国ごとに語学クラスが分かれ、毎日約1時間×5コマの授業が行われます。語学クラスは国によって様々。ケニアは、スワヒリ語と英語でクラスが分かれていました。
- マレーシア:マレー語
- インドネシア:インドネシア語
- タイ:タイ語
- 東ティモール:テトゥン語
- モンゴル:モンゴル語
- ケニア:スワヒリ語、英語
- ジブチ:フランス語
- ヨルダン:アラビア語
- エジプト:エジプトアラビア語
- モザンビーク:ポルトガル語
- ルワンダ:英語
教える先生は、その言語をマスターした日本人の方や、その国出身のネイティブの方が熱心に教えてくれます。私はスワヒリ語のクラスだったので、タンザニアの先生に教えていただきました。
今回、JICA海外協力隊の生徒に教えたのは初めてということでしたが、とても熱心に教えてくれたので、とても楽しかったです!!!
コロナ対策が厳しかったこともあり、スワヒリ語クラスは生徒3名に対して先生一人という超贅沢な環境。授業自体はJICAが作成した教科書をベースに進んでいくものの、少人数ならではの会話主体の授業構成になっており、実践的な語学を学ぶことができました。
また、タンザニアの先生ということで、我々の行くケニアの国事情であったり、アフリカでの食事や生活などいろんな話を聞くことができました。(この時に聞いた話は、荷物のパッキングの時や、ケニアに来てからの現地の方とのコミュニケーションに大いに役立ちました。)
一度だけ“アウトドアレッスン"という名目で訓練所の外で会話主体の授業も行われました。とても楽しかったです!!スワヒリ語クラスは英語で教わるので、多少英語の勉強にもなったと思います。今でも先生とのやり取りは続いていて、たまにスワヒリ語で分からないところがあったら聞いています。
訓練が終盤に差し掛かると、全語学合同で語学テストが行われます。
スワヒリ語のテスト形式は、筆記(ライティング・リスニング)とインタビュー(スピーキング)でした。このテストで不合格(60%未満)になると、問答無用で派遣取り消しとなるようです。(1年に数人いるとか…)
スワヒリ語に関しては難易度が低いこともあり、不合格になるような問題ではありませんでした。スワヒリ語クラスは全員が80%以上は取れていたと思います。
今回の訓練では、すべての語学において、全員が合格することができていました!よっぽどのことがない限り、不合格になることはないはずです…。
語学授業後の課外の様子
語学以外の時間は、主に講座や予防接種など、派遣に関連した時間となります。
だいたい語学が15:00に終わるので、その後毎日2時間ほど決められたテーマに沿った講義などが行われました。
<実施された主な課外>
- 予防接種(毎週火曜日)
→狂犬病、A型肝炎、B型肝炎、髄膜炎などのワクチンが各個人の派遣国や接種状況に応じて接種される - 公用旅券に関して
- 表敬訪問に関して
- 感染症に関する講義
- 異文化適応に関する講義
- 職種別ナレッジシェアリング
→駒ケ根訓練所と合同で職種別にオンラインで集まり、複数のケーススタディに関してグループディスカッションする。 - 海外における安全対策の講義
- 帰国後の進路に関する講義
特に講義に関しては訓練所の終盤に“講座テスト"というものがあります。マークシート式で、「国際協力について」「安全対策について」「感染症について」の3分野からそれぞれ15問ずつくらい出題されるテストです。
正答率60%以上で合格となり、不合格の場合は合格になるまで受験する必要があります。最終的に合格できない場合は、最悪の場合派遣取り消しになるそうです。
しかし、問題はめちゃくちゃ簡単なので、心配はありません。みんな焦って、前日に勉強するのですが、不合格になった訓練生はいませんでした。私自身も全ての分野で95%以上でした。
出題された問題と言えば、常識問題と言えるものばかり。拍子抜けしてしまうほど簡単でした。(↓以下、出題の例。大体4択でした。)
「国際協力について」
- ODAとは何の略か次のうちから選べ。
- NGOとは何の略か次のうちから選べ。
- JICAの事業を次の選択肢から選べ。
「安全対策について」
- ひったくり被害に遭ったときに取るべき行動を次のうちから選べ。
- テロに遭遇した時に取るべき姿勢を次のうちから選べ。
- 海外でタクシーに乗車するときに注意すべきことを次のうちから選べ。
「感染症について」
- マラリアを媒介する蚊を次のうちから選べ。
- 狂犬病の致死率を次のうちから選べ。
- エイズの感染経路として正しいものを次のうちから選べ。
とはいえ、全て重要なことばかりですので、勉強して損するってことはないと思います。実際にケニアに来てからも、役に立ったなと思うことが多い講義ばかりでした。
二本松訓練所での生活がお分かりいただけたでしょうか?なんとなく、学生時代の生活に戻ったような感じがして、懐かしい感じがしました。大人になってこういう経験ができるのはとても新鮮ですね…。(またやりたいとは思わないですが…)
次回は、訓練所での休日の過ごし方について書けたらなと思います!では、Kwa heri!!!
▽次回の記事はこちらから▽
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