もう一つの任地ナンディヒルズはどんなところ?
<ケニア生活360日目>
Chamgei!
こんにちは、てらぼー(@terabow42)です!
JICA海外協力隊として派遣されてからというもの、私の任地はカプサベット(Kapsabet)という街だと紹介してきました。ただ、正確に言うとナンディヒルズ(Nandi Hills)という街も担当しています。
実際のところほとんどカプサベットで過ごしているのですが、仕事の関係でナンディヒルズのオフィスに行くこともあるため、この機会に紹介したいと思います!
ナンディヒルズはどんな街?
ナンディヒルズ(Nandi Hills)は、任地カプサベットから南に20kmほど行ったところにある、ナンディカウンティ第2の都市です。とはいってもナンディカウンティ自体が田舎なので、実際はかなり小さな町です。
以前ゴルフをした記事を執筆しましたが、このゴルフ場があるのがナンディヒルズです。
▽ゴルフの記事はこちらから▽
ナンディヒルズは、豊富な降水量と一年を通した涼しい気候がお茶栽培に適しており、街中に広大なお茶畑が広がっています。ケニアの代表的なお茶の産地ケリチョに匹敵するほど有名で、人によってはケリチョティーよりナンディティーの方が好きだというケニア人もいます。(私に違いは分かりませんでしたが…)
なぜこんな小さな町に行くことがあるのかというと、私の配属先である上下水道会社KANAWASCO(Kapsabet Nandi Water and Sanitation Company)は、名前の通りカプサベットとナンディヒルズの2地域にサービスを提供しているからです。そのため、ナンディヒルズにもオフィスがあり、こちらにも約20名ほどの従業員が配属されています。
ナンディヒルズのオフィスの様子
街が違っても水道会社の仕事自体に大きな違いはありません。ただ、ナンディヒルズオフィスの方が規模が小さい分、人が少なくのんびりしている印象でした。
ナンディヒルズには現時点で大きな浄水場がなく、非常に小さい装置で住民に水を提供しています。ほぼ自然のままの貯水槽から水をくみ上げ、小さなポンプで水をくみ上げて街中に供給していました。
現状はカプサベットの顧客数が約5,000世帯であるのに対し、ナンディヒルズは1,000世帯未満なので、この方法でも間に合っているようです。
今回は、メインメーターという特定の地域に1つある大きな水道メーターの取り換えに同行しました。普段は基本的にオフィス内でのPC作業がメインなので、こうした現場を見るのは初めての経験でした。
水道メーターの付け替えは、「①付近の水を止める→②古いメーターを取り外す→③新しいメーターを取り付ける」という流れで行われます。このプロセスを男性従業員6人が全て手作業で行っていました。
彼らは泥まみれになりながら、力づくでメーターの取り付けを行っていました。あまりの非効率さに呆れてしまいましたが、ケニアでは普通のことっぽかったです。この作業に毎回この労力をかけていて、どうやって会社を維持しているのでしょうか…。
途中で雨が降ってきてしまいましたが何とか終了。中国製のピカピカメーターに切り替わりました。大人6人でかかった時間は約4時間でした…(笑)
フィールドワークの様子
ナンディヒルズでは浄水場の建設が行われています。カプサベットの施設はJICAの無償資金協力によって建設されましたが、こちらのプロジェクトは中国の支援によって進められているようです。
今回は新浄水場の建設現場に訪れ、付近の地域住民や建設現場の人たちと話すこともできました。浄水場はオフィスから数キロ離れた場所に建設されており、カプサベットの施設と同じくらいの大きさでした。
コネクションがある日本を選ばずに中国の支援に頼っている会社の姿を見るのは、JICAから派遣されている身としては複雑でした。このプロジェクトに限らず、オフィスに突然中国からの新品のバイクやパソコンが届くことがあります。
先進国の支援に慣れてしまっているケニアでは、日本が得意とするサステナブルな技術提供より、物やお金など目に見える中国の支援の方が好かれる傾向があります。その日暮らしの途上国にとって、長期的な視点で物事を捉えるのは本当に難しいんだろうなと思っています。
建設現場では現場監督っぽい中国人が1人いました。ケニア人たちがボロボロの服を着て、泥だらけになりながら資材の運搬をしている傍らで、中国人はタバコを吸いながらTikTokをずっと観ていました。この現地へのリスペクトが全く感じられない態度になるのは、やはり彼らがあくまでビジネスとして支援しているからなんだろうな…と感じました。
ケニア人たちも口をそろえて「中国人たちは傲慢だ!」と言っていましたが、それでもケニア人たちは中国の支援を選ぶので、必ずしもどちらが正しいとも限りません。今回のフィールドワークで改めて途上国支援の難しさを実感しました。
付近の住民たちと話すこともできました。ケニアは携帯電話の所持率の高さで知られてはいますが、データバンドルの購入をためらう人が多いので、一般家庭にインターネットがある場合は少ないです。そのため、ケニアではどの職種でも会議をするときは実際に現場を訪れて、直接話すことが一般的です。
今回のミーティングは水道関連施設の建設にあたって、地域住民の要望や懸念がないかをヒアリングするために行われました。地域のリーダー的な立場の方と話しましたが、茶畑が前面に広がる環境での会議はいかにもケニアらしいな~と思いました。みんな、私がスワヒリ語で話しているととても歓迎してくれました。
訪れた地域は、ケニアの中でも田舎の方にある高低差が大きい場所でしたが、しっかり新しい水道管が張り巡らされていました。工事は順調に進んでいるようです。
水道会社に配属されていると言っても水関連のことは完全に素人なので、今回のフィールドワークはかなり勉強になりました。
現在、GISでのカプサベットの水道配管地図を作成していますが、終了次第ナンディヒルズの地図作成にも取り掛かる予定です。そのため、ナンディヒルズのオフィスに行く頻度も増えていくかと思います。引き続き、どちらの地域の活動も頑張っていきたいです!
では、Kwa heri!!!
▽次回の記事はこちらから▽
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