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JICA海外協力隊が生活する中で感じたケニアで注意すべきこと

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JICA海外協力隊が生活する中で感じたケニアで注意すべきこと

<ケニア生活291日目>
Chamgei!!
こんにちは!てらぼー(@terabow42)です!

てらぼーの旅ブログ

JICA海外協力隊員としてケニアに住み始めてから約半年。実際に海外で生活してみると様々な観点で日本との違いに気づかされます。

特にケニアは42の民族が住む他民族国家。民族ごとに異なる文化が存在するため、地域によってもいろいろな違いがあります。だから、ふとした行動や言動でもケニア人の尊厳を傷つけてしまったり、自分の身を危険に晒してしまうことになりかねません。

今回はあくまで私が感じた範囲で、ケニアで注意すべきことやタブーについてお話していきたいと思います。

身を守るために気を付けること

ケニアは決して治安が良い国とは言えず、外務省の危険度マップでもすべての地域がレベル1以上に指定されています。特に首都ナイロビや第2の都市モンバサなどの大都市や、北部の乾燥地帯と国境周辺は情勢が不安定です。

近年ではパンデミックの影響や、大統領選挙に伴う野党党首によるデモの混乱、干ばつなど複合的な理由もありなかなか改善されていません。

混雑しているナイロビのCBD
ナイロビのCBDの様子

そのため、ケニアでも安全には常に気を払う必要があります。私もナイロビに行くときは普段から以下の事は気を付けています。

・日中でも一人で移動しない
・徒歩ではなるべく移動しない
・お金とパスポートは別で所持する
・お金を一か所にまとめない
・夜は出歩かない
・危険地域には、近寄らない

しかし、ケニアではこれだけでは足りません。上記のリストに加え、ケニア特有の注意事項がいくつかあります。中でもやってしまいがちな注意点は紹介します。

街中で写真撮影をしてはいけない

日本人がやってしまいがちなことが、街中での写真撮影です。

せっかく旅行に来たのだから、いろんな写真を撮りたいですよね。でも、ショッピングモールや空港などの人が集まる場所での写真撮影は特に厳禁です。

理由はテロ対策。ナイロビではイスラム過激派によるテロが複数回発生しており、当局も鎮圧にあたっています。そのため、警察から写真撮影はテロの下見とみられる可能性があるのです。

さらに、写真に軍事施設や軍人が映り込んでしまっている場合はさらに大変。これが警察に見つかると、高額な賄賂を要求されたり、最悪の場合逮捕される可能性もあります。ケニアの銀行などでは警察が入口を護衛しているケースが多いため、田舎の都市であってもうっかり映り込まないよう注意する必要があります。

また、一定数イスラムの方も生活しているため、中には写真に映り込むことを嫌がる方もいらっしゃいます。それを防ぐためにも写真撮影は控えたほうがいいでしょう。

アンボセリのキリン
※観光地での撮影は許されているのでご安心ください!

携帯電話を街中で出してはいけない

海外旅行中、Google Mapで場所を確認したり、チャットや電話で連絡を取ることは普通の事ですよね。しかし、ナイロビで携帯電話を出すことは厳禁です。

なぜなら、携帯電話はひったくりに一番狙われやすいものだからです。そのため、ナイロビではケニア人ですら屋外で携帯電話を出しません。

事実、電話をしていた人がバイクに携帯電話をかっさらわれる事件は日常茶飯事。ケニアに来てから何度も目撃情報を耳にしています。

特に多くの日本人が使用するiPhoneはケニアでは珍しい高級品。犯人たちも外国人がiPhoneを持っていることは知っており、肌の色で外国人は一発で見分けがつくので対象になりやすいです。

ナイロビJICA事務所からの景色
一見安全そうに見えるナイロビのJICA事務所付近でもひったくりが報告されています。

タクシーで窓を全開にしてはいけない

ナイロビでの徒歩移動はとても危険なので、基本Uberなどのタクシーを使って移動します。

しかし、タクシーであっても完全に安全とは言い切れません。特に、暑いからといってタクシーの窓を開けてはいけません。

これは、ひったくり対策のためです。ナイロビの路上では物を売り歩く売人が車道を歩いており、車の中も安全とは言えません。窓を開けていると手を伸ばして荷物や携帯電話を取られるという事件が発生しています。

ナイロビの日中は暑いですが、ケニア人はとても寒がりなので冷房を付けることはありません。そのため日本人は窓を開けたくなるのですが、それが一番危険なのです。

やむ負えず窓を開ける場合は手が入らない程度にとどめたり、パスポートや現金を分けて所持し車内でも携帯電話を操作しないことが必要です。(分けることでリスクを分散することができます。)

ケニアはタクシー強盗や銃犯罪などの凶悪事件は比較的少ないと言われているので、ひったくりに重点を置いて対策することが重要です。

ナイロビの景色
ナイロビの街並みを撮影したいときは、安全のため窓を閉め切った車内から撮ります。

ケニア人とのコミュニケーションで気を付けること

相手の宗教・民族に敬意を払う

宗教や民族をリスペクトすることはどの国でも必要なことです。ただ、無宗教の日本人にとって他国の方々の宗教観を完全に理解することは非常に難しいので、分かっていても注意する必要があります。

また、ケニアは多民族・多宗教国家なので特に気を払う必要があります。特に多くのケニア人は自分の国や部族に誇りを持っており、宗教においても信心深いように感じます。だから部族や宗教の話を同僚と話すときは、注意をする必要があります。

例えばムスリムの方は一日5回のお祈りを行い、金曜はモスクに行きます。なので、仕事中でもMTGを抜けてお祈りをすることは日常茶飯事ですが社員は全員受け入れています。決して仕事に対して怠慢なわけではないのです。

また、婚前のムスリムの女性に安易に話しかけることも注意すべきです。敬虔な人は、話しかけられただけでレイプだと感じる方もいるからです。

部族によっても独特な慣習や独自の宗教がある場合もあるため、自分と関わりが深いことは事前リサーチしておくことが重要です。

ケニアの子供たち
リスペクトさえ持っていれば、みんなフレンドリーに接してくれます!

LGBTに関する話をしてはいけない

あらかじめ宣言しておきますが、私に性的少数者を差別する意図は全くありません。

ただ、あくまで自分の身を守るために安易にLGBTの話を持ち出さないことをお勧めします。アフリカでは信じられないほどLGBTの人々が差別されているからです。

一度だけ同僚とこの話をしたことがありますが、LGBTに強い嫌悪感を抱いているような印象を受けました。それは何気ないこんな会話から出た言葉でした。

同僚A日本では同性愛は容認されているのか?
筆者法的に同性婚は認められていないけど、一部の地域が条例で認めていたりするし、LGBTの権利は多くの人が認めているよ。
同僚Aなんで日本はそんな恐ろしいことを認めているんだ。そんなのナチュラルじゃない。
同僚Bそんなおぞましいことを認めているケニア人なんて一人もいないわ。

彼らは普段はとても気さくで良い人たちで、普段から差別をするような方ではありません。ただ、複雑な歴史と宗教観が根付いている印象で、考え方がそう簡単に変わる感じではありませんでした。

先日、ウガンダで性自認がLGBTというだけで処罰される法律ができましたし、ケニアでは#ToSayNoLGBT というタグがTwitterでトレンド入りするほど反LGBT運動が高まっています。

そのくらいLGBTへの認識は異なるので、もし当事者の方がカミングアウトすると、家族から勘当されたり、道中で投石を受けたりすることになるようです。だから特別な理由がない限り、アフリカでは安易にカミングアウトしたり、話題に出すことはしないほうが良いかもしれません。

<番外編>NGワードに注意する

最後に番外編として、ケニアで言ってはいけないNGワードを紹介します。

というのもスワヒリ語は日本語と発音が近いため、何気なく発した日本語がケニア人にとって汚い言葉である場合があります。正直これらを言ったとしても、ケニア人はヘラヘラ笑っているだけでドン引きされることはないのですが、言わないに越したことはありません…。(逆に日本人だと分かると「熊本出身か…!?」と面白がって質問してくるケニア人もいます。)

動物の"クマ"“kuma"で女性器の意味
都道府県の"熊本"“moto"は熱いという意味なので、"kuma"と合わさるととんでもない意味に…
食事中につい出てしまう”うめ~(美味え~)"“Uume"で男性器の意味。しかも日本人が言う"うめ~"の発音が近いらしい

出身地を言うときや食事中などについつい発してしまいそうな言葉なので、注意する必要がありそうですね。ということでケニアで注意すべきことでした!!

ナイロビナショナルパークと都会の街並み

では、Kwa heri!!!

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